い?』と青い顔をしてきき返すのです。『そうじやございませんの?』とまた私がきき返しますと、しばらく母は黙つて居りましたが、軈て苦しそうに顔をしかめながら『それについては明日でもゆつくり話してあげる。これには深いわけがあるのだからねえ。どうも頭が割れそうに痛いから今日はもうこの話はやめておくれ』と申しました。それで私も強いてはこれ以上きかなかつたのでございました。私が部屋に帰ろうとする時、『お母様、頭痛ならお薬のんではどう?』と申しますと、母は『ああお薬はとつてあるのだがお前、さだ子がこのあいだのんだ薬を知つているかい』と申すのです『アンチピリンでしよう』と私が云いますと『ではのんでも大丈夫だろうね。何分さだ子にすすめられたものだからね。心配で……』とこう申しました。私はそれで部屋に戻りましたが、私がねる前、お休みなさいを云いに母の部屋にまいりました時はまだ起きておりました。父がまだおきていたからだと思います」
「ところで昨夜母上が死なれたとすると、その秘密はとうとうあなたに知られずにしまつたのですな」
「はい」
「そこでつまりあなたの今の考えをいちごんで云えば、母上の死についてはさだ子
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