きり答えられよう――
 われらはどこから来てどこへ行くやら?

  11[#「11」は縦中横]

造物主が万物の形をつくり出したそのとき、
なぜとじこめたのであろう、滅亡と不足の中に?
せっかく美しい形をこわすのがわからない、
もしまた美しくなかったらそれは誰の罪?

  12[#「12」は縦中横]

苦心して学徳をつみかさねた人たちは
「世の燈明*」と仰がれて光りかがやきながら、
闇《やみ》の夜にぼそぼそお伽《とぎ》ばなしをしたばかりで、
夜も明けやらぬに早《は》や燃えつきてしまった。

  (13)[#「(13)」は縦中横]

この道を歩んで行った人たちは、ねえ酒姫《サーキイ》*、
もうあの誇らしい地のふところに臥《ふ》したよ。
酒をのんで、おれの言うことをききたまえ――
 あの人たちの言ったことはただの風だよ。

  (14)[#「(14)」は縦中横]

愚かしい者ども知恵《ちえ》の結晶をもとめては
大空のめぐる中でくさぐさの論を立てた。
だが、ついに宇宙の謎には達せず、
しばしたわごとしてやがてねむりこけた!

  15[#「15」は縦中横]

綺羅星《きらぼし》の空高くいる牛
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