地獄というのは甲斐《かい》もない悩みの火で、
極楽はこころよく過ごした一瞬《ひととき》。

  143[#「143」は縦中横]

いつまで一生をうぬぼれておれよう、
有る無しの論議になどふけっておれよう?
酒をのめ、こう悲しみの多い人生は
眠るか酔うかしてすごしたがよかろう!
[#改ページ]

     註

番号
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4 知者――全智の神。
6 水の上に瓦を積む――意味のない妄想にふけること。
12[#「12」は縦中横] 「世の燈明」――神学者に奉《たてまつ》られた尊号。
13[#「13」は縦中横] 酒姫――酒の酌《しゃく》をする侍者《じしゃ》。それは普通は女でなくて紅顔の美少年で、よく同性愛の対象とされた。
15[#「15」は縦中横] 大地を担う牛――イラン人は地球は円いものではなく、大海の中の大魚の上に跨《またが》る大牛の背中にのっているものと考えていた。そして太陽は地球の周囲を廻転するものと考えられていた。
26[#「26」は縦中横] 人の所業を書き入れる筆もくたびれて――イスラム教徒の信仰によると、創世の日に神の筆がすべての天命を神の
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