ろか、
神も、真理も、世の中も眼中にないありさま、
二つの世にかけてこれ以上の勇者があったか?
105[#「105」は縦中横]
戸惑《とまど》うわれらをのせてめぐる宇宙は、
たとえてみれば幻の走馬燈だ。
日の燈火《ともしび》を中にしてめぐるは空の輪台、
われらはその上を走りすぎる影絵だ。
106[#「106」は縦中横]
ないものにも掌《て》の中の風があり、
あるものには崩壊と不足しかない。
ないかと思えば、すべてのものがあり、
あるかと見れば、すべてのものがない。
107[#「107」は縦中横]
世に生れて来た効果《しるし》に何があるか?
生きた生命の結果として何が残るか?
饗宴の燭《ともしび》となってもやがて消えはて、
ジャムの酒盃*となってもやがては砕ける。
[#改丁]
[#ページの左右中央]
一瞬《ひととき》をいかせ
[#改丁]
108[#「108」は縦中横]
迷いの門から正信までは、ただの一瞬《ひととき》、
懐疑の中から悟りに入るまでもただの一瞬。
かくも尊い一瞬をたのしくしよう、
命の実効《しるし》はわずかにこの一瞬。
109[#
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