ほこり》を流し、
薔薇《ばら》に浮かれた鶯《うぐいす》はパ※[#小書き片仮名ハ、1−6−83]ラヴイ語*で、
酒のめと声ふりしぼることしきり。
119[#「119」は縦中横]
花のころ、水のほとりの草の上で、
おれの手をとるこの世の天女二、三人。
世の煩《わずら》いも天国ののぞみもよそに、
盃《さかずき》にさても満たそう、朝の酒!
120[#「120」は縦中横]
はなびらに新春《ノールーズ》の風はたのしく、
草原の花の乙女の顔もたのしく、
過ぎ去ったことを思うのはたのしくない。
過去をすて、今日この日だけすごせ、たのしく。
121[#「121」は縦中横]
草は生え、花も開いた、酒姫《サーキイ》よ
七、八日地にしくまでにたのしめよ。
酒をのみ、花を手折《たお》れよ、遠慮せば
花も散り、草も枯れよう、早くせよ。
122[#「122」は縦中横]
新春《ノールーズ》にはチューリップの盃《はい》上げて、
チューリップの乙女《おとめ》の酒に酔え。
どうせいつかは天の車が
土に踏み敷く身と思え。
123[#「123」は縦中横]
菫《すみれ》は衣を色にそめ、薔薇の袂《たもと》に
そよかぜが妙なる楽を奏でるとき、
もし心ある人ならば、玉の乙女と酒をくみ、
その盃を破るだろうよ、石の面《も》に。
124[#「124」は縦中横]
さあ、起きて、嘆くなよ、君、行く世の悲しみを。
たのしみのうちにすごそう、一瞬《ひととき》を。
世にたとえ信義というものがあろうとも、
君の番が来るのはいつか判《わか》らぬぞ。
125[#「125」は縦中横]
大空の極《きわみ》はどこにあるのか見えない。
酒をのめ、天《そら》のめぐりは心につらい。
嘆くなよ、お前の番がめぐって来ても、
星の下《もと》誰にも一度はめぐるその盃《はい》。
126[#「126」は縦中横]
学問のことはすっかりあきらめ、
ひたすらに愛する者の捲毛《まきげ》にすがれ。
日のめぐりがお前の血汐を流さぬまに
お前は盃《はい》に葡萄《ぶどう》の血汐を流せ。
127[#「127」は縦中横]
人生はその日その夜を嘆きのうちに
すごすような人にはもったいない。
君の器が砕けて土に散らぬまえに、
君は器の酒のめよ、琴のしらべに!
(128)[#「(128)」は縦中横]
春が
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