と存じますから、その際には是非御願い仕りたいと存じます。勿論編集者一同の決定であるならば私でも差し支えございませんが、ただ何か急に出頭して諒解を求める必要でも起こった際絶えず病臥《びょうが》している私では何かと不都合が起こるでしょうし、それに編集名義人が私なるが故にというような場合も全然予想し得ないこともないので、なるべくならば、第二案の場合には是非貴下に御願い仕りたいと存じます。
三、第二巻の原稿出来ました分から順次に拝見したいと思います。一時になると中々容易でありませんから。
御蔭で私は大分元気を恢復しましたが相変わらず、午後から夜にかけて多少の微熱が出ますので仕事の能率があがらず閉口しています。当地もすでに花時を過ぎて四時変らぬ松の緑ばかりとなりましたが、それでも新緑の候は格別です。御閑暇もあらば御来遊下さい。
まずは御返事まで。
四月三十日夜[#地から3字上げ]栄太郎
平野様
侍史
底本:「野呂栄太郎全集 下」新日本出版社
1994(平成6)年12月5日初版
※作品名は、便宜を考慮して、入力時に新たに付したものです。
入力:山田剛
校正:土屋隆
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