、資本と土地所有とへの全勤労大衆の従属の歴史的進行過程における必然的所産に外ならない。婦人の解放は、それゆえ、資本と大土地所有との支配に歴史的|終焉《しゅうえん》を与えて、一切の生産手段を直接生産に従事する全勤労者の手に取り[#「手に取り」に「×」の傍記]戻すことによってのみ、そしてまた、かくして実現される生産手段の社会主義的所有に基礎を[#「手段の社会主義的所有に基礎を」に「×」の傍記]置く社会的生産に男子同様彼女たちも積極的に参加することによってのみ始めて実現し得るのである。二月革命[#「革命」に「×」の傍記]の口火を切り、十月革命[#「革命」に「×」の傍記]の勝利のために積極的に参加したソビエト同盟の、姉妹たちが、かのツァーリズムの支配下にあっては世界の「文明国」の婦人中でも最も無権利であり、最も後れているにもかかわらず、今やプロレタリア独裁[#「独裁」に「×」の傍記]の下にあっては、男子とまったく同一の政治的、社会的ならびに経済的権利を享得して社会主義建設の歴史的事業に積極的に協力し、男子と肩を並べて非常な熱意と創意とを発揮しているのは決して偶然ではない。
[#地から2字上げ]――『女人芸術』一九三一年十月号――



底本:「野呂栄太郎全集 下」新日本出版社
   1994(平成6)年12月5日初版発行
初出:「女人芸術」
   1931(昭和6)年10月号
※初出の伏せ字は、底本では編集部によって復元され、当該の箇所には×が傍記されています。
※底本では、表題「十月革命と婦人の解放」の「革命」にも×が傍記されています。
入力:山田剛
校正:川向直樹
2004年6月27日作成
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