岩波茂雄宛書簡
一九三一年九月二十一日
野呂栄太郎

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)仕《つかまつ》り

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)失礼|仕《つかまつ》り

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から1字上げ]
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拝啓前略
先日は失礼|仕《つかまつ》りました、講座の方は着々進行しておりますから御安神願います。
さて逸見重雄君の奥様が何かで生活費の一部なりとも稼ぎたいと申すのでございますが、校正の仕事にでも御雇い願えれば幸と存じますが、御都合如何でございましょうか?
逸見君は産業労働調査所の仕事に没頭しているのですが、この方からは殆んど生活費が得られず、翻訳等によっているのですが、昨今の時世では仕事の片手間に生活費を得ることは中々困難にて非常に窮迫していますから、何卒よろしく御同情御配慮のほど願い上げます。[#地から1字上げ]敬具
   九月二十一日
[#地から3字上げ]栄太郎拝
  岩波様
    御侍史



底本:「野呂栄太郎全集 下」新日本出版社
   1994(平成6)年12月5日初版
※作品名は、便宜を考慮して、入力時に新たに付したものです。
入力:山田剛
校正:土屋隆
2005年3月19日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
終わり
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