]ひとり旅[#「ひとり旅」は大見出し]

お空のお月さま
ひとり旅

わが子をたづねて
あるいてる

山にゆきや
茨の蔭のぞき

磯にゆきや
小磯の蔭のぞく

千年 たづねても
子にや 逢へぬ

万年 たづねても
子にや 逢へぬ


[#1字下げ]お供は後よ[#「お供は後よ」は大見出し]

エツサツサ
エツサツサ
お供《とも》は 後《あと》よ
お供は 後よ

お供は 後から
ついて来な
お供だ エツサツサ
お供だ エツサツサ

お供だ お供だ
お供だ エツサツサ

お荷物 エツサツサ
かついで エツサツサ

お供だ お供だ
エツサツサノサ


[#1字下げ]榧の実[#「榧の実」は大見出し]

烏ア畑で
榧《かや》の実 拾《ひ》ろた

たんこ たんこ たんこ
たんころたん と たたく

烏ア 榧の実
たんころたん と たたく

たたけ たんこ たんこ
たんころたん と たたけ

烏ア 榧の実
畑で拾ろた


[#1字下げ]ねむの木[#「ねむの木」は大見出し]

ねむれよ ねむれ
  ねむの木よねむれ

夕闇ア来たぞ

ねむの木が
    ねむりや

雀もかへる

河原の藪へ
  雀よかへ
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