めしやんせ
りん気アせぬもの
恋アせまいもの。
[#1字下げ]銀座の月[#「銀座の月」は大見出し]
銀座照る月ア
田舎も照らす
月と名がつきや
二つはないに
済まぬ気がした
十五夜さまよ
わしの眼の性か
銀座で見たりや
麻の葉つぱで
こさへたやうに
丸いお月が
三角に
[#1字下げ]山ほととぎす[#「山ほととぎす」は大見出し]
茶の樹畑にや
茶摘み唄
この日の永いに
姉《あね》さまよ
菜の花畑にや
子守り唄
夜は明けやすいに
母《かあ》さまよ
山ほととぎすが
啼いてゆく
[#1字下げ]霧雨[#「霧雨」は大見出し]
霧し雨降りや
茶の樹がぬれる
鳩は茶の樹を
見ちや啼いた
霧し雨だが
茶の樹の上にや
しととしととと
降りかかる
[#1字下げ]旅の民謡 四章[#「旅の民謡 四章」は大見出し]
ふじの白雪
お日和《ひより》つづき
つばめ来る日も
間はなかろ
――富士五湖めぐり――
×
山にや霧立つ
霧ア雲となる
雲も重なりや
雨となる
×
帯のはばほど
なかろがあろが
吉田上宿
よいところ
――富士吉田口にて――
前へ
次へ
全20ページ中6ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
野口 雨情 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング