も 凉しく
なるのです

海は 広くて
愉快です

波と 波とが
どんどん と

負《まけ》ずに 駈けくら
いたします


[#1字下げ]ささぶね[#「ささぶね」は中見出し]

ささの はつぱの
ささぶねは

川を ながれて
いきました

川は うみまで
つづきます

なみも うみには
うつてます

ろもない ほもない
ささぶねは

どこまで ながれて
いくのでせう


[#1字下げ]すつぽん亀の子[#「すつぽん亀の子」は中見出し]

[#ここから4字下げ]
註 *満洲国の河。外蒙古と内蒙古の国境が北へ向かつて興安嶺につき当つた辺から東へ流れ出してゐます。下流は有名な松花江であります。
[#ここで字下げ終わり]

※[#「さんずい+兆」、第3水準1−86−67]児河《ドルガ》*の亀の子
スツポン ポン

すつぽん亀の子
ピツチヤ ピチヤ

ピチヤ ピチヤ 首出せ
スツポン ポン

すつぽん亀の子
泥だらけ

泥から 匍ひ出す
スツポン ポン

※[#「さんずい+兆」、第3水準1−86−67]児河の泥水
ピツチヤ ピチヤ


[#1字下げ]夕立[#「夕立」は中見出し]

夕立 駈あし 早
前へ 次へ
全28ページ中14ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
野口 雨情 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング