遊びます
ひよこはピヨピヨ
親鶏の
背中へあがつて
遊んだり
羽根の蔭から
間から
首を出したり
隠したり
ひよこは毎日
親鶏と
元気に楽しく
遊びます
[#1字下げ]雲雀と蛙[#「雲雀と蛙」は中見出し]
雲雀《ひばり》と蛙の
鳴きくらだ
雲雀が負けたら
お空から
ピーチク チクチク
逃げて来る
蛙も負けたら
田甫《たんぼ》から
ゲコゲコ ゲツコと
逃げて来る
どつちも負けずに
うんと鳴け
雲雀はどうやら
負けさうだ
蛙もどうやら
負けさうだ
どつちも鳴きくら
くたびれる
[#1字下げ]ドンドンバシ[#「ドンドンバシ」は中見出し]
ドンドン バシノ
シタニハ
メダカガ オヨイデ
アソンデ ヰル
ドンドンバシヲ
トホルト
メダカガ ミンナデ
ニゲテ イツタ
ドンドン バシヲ
ワタルト
ドンドンドント
ナルカラ
メダカガ
タマゲルノダ
[#1字下げ]子守唄[#「子守唄」は中見出し]
遠くの遠くの
竹山に
露から生れた
お姫さま
姿もやさしく
きりようよし
つづれの錦の
帯をしめ
着物は振り袖
一重褄《ひとえづま》
模様は桜の
花ちらし
小笹のお舟に
帆をかけて
黄金のお鈴を
振りながら
ねんねする子を
たづねます
お舟に積んでる
お土産は
金銀|珊瑚《さんご》の
よいおもちや
この子のお好きな
ものばかり
[#1字下げ]燕と柳[#「燕と柳」は中見出し]
柳の下から
燕が水汲む
柳の下には
小川が流れる
小川の中から
すいすい汲みます
お嘴《くち》で汲むから
お翼《はね》がぬれます
燕のお家は
軒端の蔭です
軒端の蔭から
すいすい出て来る
柳の下から
飛び飛び汲みます
お嘴で汲むから
お翼がぬれます
[#1字下げ]田植[#「田植」は中見出し]
今朝から田植が
はじまつた
一枚植ゑれば
またつぎへ
つぎからつぎへと
植ゑてゆく
ひろい田甫《たんぼ》の
すみまでも
日のくれごろには
残りなく
みんな青田に
なつてゆく
[#1字下げ]蛙の幼稚園[#「蛙の幼稚園」は中見出し]
お池は蛙の
幼稚園
毎日泳ぎの
稽古です
バッチヤ バッチヤ
ザンブ ザンブ
シユシユ シユ
一番上手に
ずんずんと
泳ぐは蛙の
先生です
バッチヤ バッチヤ
ザンブ ザンブ
シユシユ シユ
泳ぎの出来ない
子蛙に
泳ぎを教へて
ゐるのです
バッチヤ バッチヤ
ザンブ ザンブ
シユシユ シユ
[#1字下げ]燕の泥ぬり[#「燕の泥ぬり」は中見出し]
燕のお家《うち》は
泥の家
田甫《たんぼ》の泥土
はこんだり
お堀の泥土
はこんだり
お口で壁ぬり
いたします
忙がし 忙がし
ピイチク チー
お口も よごれて
泥だらけ
お花が咲いても
いきません
せつせと お家を
つくります
[#1字下げ]目高[#「目高」は中見出し]
大きい 目高は
隊長さん
ツンツク ツクツク
ツンツンツン
小さい 目高は
兵隊さん
負けずに ツクツク
ツンツンツン
どんなに この川
深かろが
どんなに 流れが
早かろが
目高だ 目高だ
行列だ
ツンツン ツクツク
ツンツンツン
[#1字下げ]螢[#「螢」は中見出し]
ほたるは たんぼで
ひかります
ほたるの ひかりは
ぴつかりこ
ぴつかり ぴつかり
ぴつかりこ
ほたるは とんで
すういすうい にげる
たんぼの たのなか
すういすうい
[#1字下げ]沼の鮒釣り[#「沼の鮒釣り」は中見出し]
銀鮒 金鮒
沼の鮒
沼の鮒釣り
面白い
釣竿かついで
友達と
田甫《たんぼ》の釣道
エッサッサ
大鮒 小鮒が
寄つて来る
沼の縁でも
よく釣れる
今日もにこにこ
元気よく
沼の鮒釣り
エッサッサ
[#1字下げ]螢狩り[#「螢狩り」は中見出し]
螢 来い 来い
ここへ 来い
田甫《たんぼ》は 泥田で
いかれない
泥田の田甫は
飛んで 来い
螢 来い 来い
ここへ 来い
川が 深くて
いかれない
川が深くば
飛んで 来い
[#1字下げ]どんと波[#「どんと波」は中見出し]
どんと波来い
沖から来い
遠くの沖から
つづいて来い
大波 小波で
仲よく来い
来い来い来い
どんと波来い
どんと波どん
どんどんどん
道草しないで
急いで来い
仲よく陸《をか》見て
どんどと来い
来い来い来い
どんと波来い
[#1字下げ]オハナ バタケ[#「オハナ バタケ」は中見出し]
タカイ トホクノ
オヤマニハ
オハナ バタケガ
アルノ デス
オハナ バタケニ
サクハナハ
ナツヲ マツテテ
サキマシタ
アカヤ キイロヤ
モモイロヤ
シロヤ シボリヤ
ムラサキヤ
ミ
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