くたびれました
くたびれました
赤いこまが
くたびれました
かんぶり ふりふり
かんぶり ふりふり
くたびれました
くたびれました
青いこまが
くたびれました
海ひよどり
磯にとまつて
海|鵯《ひよどり》は
海の向ふの
夢をみた
海の向ふに
小さい船が
赤い帆かけて
走つてる
赤い帆かけた
小さい船に
いつか別れた子供が
乗つてる
船と子供を
海鵯は
磯にとまつて
夢にみた
河原の河童
夜更けに 子供が
歩いてる
頭に お皿が
載つてゐた
河原の 河童の
子供だよ
河原で 夜更けに
火が燃える
雨夜の晩だに
火が燃える
河童の 子供が
燃すんだよ
鳩さんはだし
少女『鳩さん はだしで
どこへゆく
鳩『遠い田舎へ
お使ひに
少女『鳩さん 急いで
いつておいで
鳩『はだしで 急いで
いつて来ましよ
少女『鳩さん あばよ
鳩『嬢《じよ》つちやん さよな
少女『鳩さん 急いで
いつておいで
海女が紅
港の 空に
海女が紅《べに》
刷いた
港の 空に
赤い帯
ほした
信濃の国も
夕焼け
焼けるぞ
信濃の子供
帯まで
焼ける
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