機織虫

機織虫《はたおりむし》は
一機 織つた

カンカラ コン
カンカラ コン

田舎は 涼し
凌霄花《のうぜんかづら》

カンカラ コン
カンカラ コン

機織虫と
一緒に 遊ぼ。


 田甫の狐
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昔、或所の田甫《たんぼ》に古狐がゐました。若い女に化けて旅人をだまさうとした噺があります。
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田甫の狐は
赤い櫛さして
赤い帯しめて
後姿《うしろすがた》 見せて
三味線ひいてた

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又、子供をだまさうとした噺もあります。
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田甫の狐は
芒《すすき》の蔭で
赤い 風船
飛ばした
青い 風船
飛ばした

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畑の中で小酒盛をしてゐました噺もあります。
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田甫の狐は
畑の中に
胡座《あぐら》をかいて
河童の小父《をぢ》と
小酒盛してた。


 青い空

母《かあ》さん 来るまで
姉さんと
青い空 青いから
見てゐませう

二歳《ふたつ》で あんよが
出来たから
母さんゐなくも
ゐられるわネ

青い空 見ておゐで
青い空に
夜になると お星さま
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