さう思へ
南風吹きや
また来よつばめ
桜咲いたら
来よつばめ
南風吹きや
つばめの鳥よ
わしが待つぞと
さう思へ
[#1字下げ]雲間[#「雲間」は大見出し]
歌は桃色
薄桃色よ
人の心も
皆いつはりか
人の心と
雲間の 月はよ
月は雲間の
蔭渡る
[#1字下げ]浪枕[#「浪枕」は大見出し]
昨夜《ゆふべ》も君から
来たたより
博多小女郎は
浪枕《なみまくら》
わたしも博多の
浪枕
ゆるしてお呉れと
ゆふたより
[#1字下げ]佐渡が島[#「佐渡が島」は大見出し]
海に海鳥
鴎鳥《かもめどり》
海の遠くは
どこの国
あれは越後の
佐渡が島
波々打つな
波打つな
佐渡は越後の
はなれ島
[#1字下げ]蛇の心[#「蛇の心」は大見出し]
蛇の心に
なつたのも
あなたがわたしを
捨てたから
恋といふ芽の
もえたのも
末たのもしく
思ふから
捨てらば捨てろ
このうへは
蛇のこころで
死なば死のう
[#1字下げ]出船[#「出船」は
前へ
次へ
全26ページ中20ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
野口 雨情 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング