身につまされたて
   愚痴ぢやない

連れて行くなら
   行きやしやんせ

お三大星さま
   連れ衆連れ

わたしや焼野に
   ひとりぽつち

[#ここから4字下げ]
(お三大星さまは俗に三ツ星とも云ひ夜明けごろ西空に落ちゆく星である)
[#ここで字下げ終わり]


[#1字下げ]千ヶ滝小唄[#「千ヶ滝小唄」は大見出し]

二つ日はない
    浅間が山よ
わしが願ひを
    どうなさる

[#ここから4字下げ]
(千ヶ滝は浅間山麓の避暑地である)
[#ここで字下げ終わり]


[#1字下げ]三井田川[#「三井田川」は大見出し]

三井田川の
    竪坑《たてこう》の風は
恋の風やら
    わしや恋し

[#ここから4字下げ]
(三井田川は福岡県の炭坑地である)
[#ここで字下げ終わり]


[#1字下げ]千代の松原[#「千代の松原」は大見出し]

千代の松原
ひよろひよろ松よ

こぼれ松葉の
わたしぢやほどに

逢ひに来たのか
泣かせに来たか

逢ひに来たなら
出て逢ひませうに

泣けと云ふなら
わしや泣きませうに

唄で流して
横丁を通る

[#ここから4字下げ]

前へ 次へ
全26ページ中18ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
野口 雨情 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング