いつも啼く


[#1字下げ]岩手小唄[#「岩手小唄」は中見出し]

  ○

岩手片富士
あの山蔭で
なじよな心で あねこよ
暮すやら

  ○

あねこ思へば
あの山蔭の
雪もおぼろに あねこよ
解けぬかや


[#1字下げ]笠松機場唄[#「笠松機場唄」は中見出し]

[#2字下げ]一[#「一」は小見出し]

言ふた 言ふた 言ふた
お母《つか》さんが言ふた

美濃の笠松ア
住みよて居よい

同じゆくなら
美濃縞織りに

娘ゆけよと
よいこと言ふた

[#2字下げ]二[#「二」は小見出し]

トンカ トンカ トンカ
機場《はたば》で暮らしや

いつも心が
トンカ トンカ若い

昨夜《ゆふべ》夢みた
機場の夢を

ゆこかお母《つか》さん
美濃縞織りに


[#1字下げ]さむらひ[#「さむらひ」は中見出し]

空の雲さへ
  日の暮れにや

風に吹かれて
  はぐれがち

風はなさけに
  吹くぢやなし

雨もなさけに
  降るぢやなし

どうせなさけの
  風ぢやとて

涙まさせる
  ことばかり


[#1字下げ]小松の蔭[#「小松の蔭」は中見出し]

雉子《きぎす》ア啼くから

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