文溯閣の四庫全書
内藤湖南
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(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)朱※[#「竹かんむり/均」、第3水準1−89−63]
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凡そ書籍の事に注意する人にして、乾隆の四庫全書の名を知らざる者は少からん。此の四庫全書編纂は、乾隆帝一代の大事業にして、其事の記録に見ゆるは、乾隆三十七年(西暦一七七二)正月四日の上諭に始まる。其主意は、乾隆帝は此の時既に二十一史、十三經等を校勘出版し、其他種々の大部の書を編纂したり、尤も書籍の纂集に就ては、康煕年間古今圖書集成なりて一萬餘卷の大部の書となり、類書としては古來の最も大なるものと稱せらるゝも、其の體裁の類書なるが爲に自然引用せられたる原書の全文を載する能はず、故に是れ以上の大蒐集をなし、有らゆる古今の書籍を一に集めんとの考へより此の上諭を發し、各省地方官に對して蒐集の令を下せり。此の翌年即ち乾隆三十八年には朱※[#「竹かんむり/均」、第3水準1−89−63]の上奏により、この蒐集したる書籍に解題を附す
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