聖徳太子
内藤湖南

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)反對し施《ひ》いて

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)それが又|史《ふびと》であり

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)各※[#二の字点、1−2−22]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いろ/\
−−

 聖徳太子に關して徳川時代の儒者で之を作者の聖と稱せし人があつたが、之は最も善く當つて居つて、殆んど其の人格の全體を悉して居ると思ふ。支那で作者を聖と稱するのは、即ち人民の爲に其の生活に關する種々の仕事器物など、更に進んでは文物典章を作つた人を聖人とすると謂ふ意味で、伏犧神農以下文武周公に至るまで皆さう謂ふ性質の人である。日本では勿論人民の生活に關する一般的のことは前から自國で發明されて居ることも有り、又聖徳太子以前に於て支那から輸入されたこともあるが、しかし其の内外の文化を巧く煉り合せてそして今日の日本文化の基礎を作り、その當時の日本文明を
次へ
全17ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
内藤 湖南 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング