隋書經籍志
次は隋書經籍志である。これは正史に載つたものとしては漢書藝文志に次ぐものである。隋書の志類は、單に隋書の志でなく、志だけは五朝の志となつてゐる。その中でも、經籍志は又特別で、――大體は五朝は北朝のことを主に書いたが、――北朝は書籍については餘り注意すべきことがないので、梁の目録に重きを置き、それを隋書經籍志を作る當時の目録と引合せて書いてゐる。これは隋書についた經籍志であるが、書籍の現在は唐の時の現在である。その序を見ると、遠くは史記・漢書、近くは王儉・阮孝緒の七志・七録を見て參考して之を作つたと云つてゐる。隋書經籍志の序と七録の序とを見れば、劉※[#「音+欠」、第3水準1−86−32]の七略以來の書籍の増減、その傳來、集散などの大體を知り得る。七録には既に七略から漢書藝文志、晉の中經、その他南朝の書籍増減の總數を書いてゐるが、隋志にも書籍集散の事情をよく書いてゐる。書籍の選擇についても、隋志はよく考へてあつて、舊來の目録に載つてゐるものでも、役に立たぬつまらぬものは之を削り、昔の目録に落ちてゐるものでも、役に立つものは之を入れたと云つてゐる。又各※[
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