女傳は、圖を書き、その讚の如くにして本を作つたのであるから、他の書を調べる際にも、圖を除く筈はない、と孫徳謙は云つてゐる。
(二十三)存別義 これは本の名前が色々あつたりした時、その別の名前をも併せて擧げる。又同じ事柄につき、異つた話が傳はつて居れば、之をも併せて擧げることである。
孫徳謙は以上の項目を擧げてゐるが、これは勿論もつと簡單に總括することもできる。この中には、劉向以前に始まつたこともあり、向以後に始まつたこともあり、これが悉く向の目録學にあるとは云へぬが、大體かやうに見ても大した違ひはない。この中で、どれが最も大事なことかと云へば、(九)分部類より(十六)辨疑似までが、最も目録學上の特殊なもので、殊に前からあつても、少くとも向に至つて始めて完成したものである。かくの如く、當時あつた學問を總括的に考へ、經書を中心には考へたが、その他の學問も皆古來系統があり、色々の學派が分れて著述のできたことを、即ち學問著述の成生を歴史的に考へたのが向の特色である。
漢書藝文志に遺る二劉の學の究明
劉向の仕事を※[#「音+欠」、第3水準1−86−32]が相續したが、※[#
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