りきった一時の感情で申し上げるのではございません、あの時から、運命がそうさせたのでございます。この大きな力をごらんください、もはや、わたしの身であって、わたしの身ではございません、この大きな力に押され、大きな力に引きずられているわたしを、お憐み下さい、わたくしは、もう自分の力で自分をささえることができませぬ、自分で今何を言っているかさえわからなくなりました」
この時に、お松は身を以て駒井の上に倒れかかりました。
全く、自分で自分を支えることができない。今まで堪《こら》えに堪えていたけれども、もう持ちきれないこの重味を、持ちかけられるのはそこよりほかにはありません。その怖るべき力を、真面《まとも》に受けた駒井甚三郎は、よろよろと、それを受留めながら、これも自分の力で自分の足もとを支えることができず、最初から楯《たて》に取っていた椰子の大木に支えられて、そこで、烈しい泣き声が、駒井の胸の中にすっかりかき埋められて、それでも井堰《いせき》を溢るる出水のように、四方にたぎるのを如何《いかん》ともすることができません。
身を以て泣く女の力、駒井はその力が、雷電の如く火花を散らす強さを知りま
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