行司ダ、ソノ時分ハ万事流儀ノモメ合イ、弟子口論伝受ノ時ノ言渡シ、多分オレバカリシタガ、岡野ハ伝受ノコトハ皆々オレニ聞キ合ワセタ、オレガ下知ニソムク者ハナカッタ、大小ノ拵《こしら》エ様並ビニ衣服又ハ髪形マデ、下谷、本所ハオレノ通リニシタガ、奇妙ノコトダト思ッテ居ルヨ。
ソノ時分ハ、諸所ノ道場ガ至ッテ義定ガ立ッテイテ、先生トハ同座同席ハ弟子ガシナカッタ、外ノ先生ガ来ルト、直グニ高弟ガ出向イテ刀ヲ取ッテ案内ヲシタ、先生迄モソノ玄関マデ迎イニ出タモノダガ、此頃ハ物ガ乱レテ、知ラヌ顔デカマワヌガ、イロイロノ様子ニナルモノダ、稽古モ稽古場ヘ二組トキマッテイタガ、ソレモムチャニナッテ幾組モ勝負ヲスルヨウニナッタ」
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 さてまた、いろいろの肝煎《きもい》り、世話焼きをしてやっているうちにも、恩に着るものばかりはない。
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「通リ町ノチチブ屋三九郎ト云ウ者ガ、公儀ノキジカタ小遣モノノ御用足《ごようたし》ダガ、段々家ガ衰エテ来テ、今ハソノ株ガホカニモ出来テ、一向ニ御用モタサズシテ困ッテイルト高田藤五郎トイウ者ガ云ウカラ、段々聞イタラ、此節末姫様ガ薩州ヘ御引移リ故
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