永らえてもいられる、ということを神尾主膳も、身につまされて、どうやら、自分もいっぱしの苦労人のような気分になりつつ読む。
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「天野ガ地面ニイルウチモ、トカク地主ノ後家ガコトデ、六ツカシイコトバカリ云ッテ困ッタカラ、三年メニ同町ノ山口鉄五郎ガ地面ヘ家作ガ有ルカラ引越シタガ、コノ鉄五郎ガ惣領ハ元ヨリ心易《こころやす》カッタガ、イロイロウチヲカブッタ時ニ世話ヲ焼イテヤッタ故、ソノバア様ガゼヒ地面ヘ来イトイウカラ行ッタ、コノ年勤メノ外ニハ諸道具ノ売買ヲシテ内職ニシタガ、初メハ損バカリシテ居ルウチ、段々慣レテ来テ金ヲ取ッタ、ハジメハ一月半バカリノウチニ五六十両損ヲシタガ、毎晩毎晩、道具屋ノ市ニ出タカラ、随分トクガ附イタ、何シロ、早ク御勤入リヲシヨウト思ッタ故、方々カセイデ歩イテイタウチニ――」
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神尾がニタリと笑って、天野の後家という奴が曲者だな、若後家になって、男ぐるいをはじめて、相当小吉をてこずらしたように書いてあるが、小吉の奴も相当のイカモノのくせに、こいつをこなせなかったというのはないもんだ、だが相性が違ったんだろう。ところで、今度は近所の
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