、早く行けと言ったが、三人ながら、源兵衛ひとりを置くを不便《ふびん》に思い、一緒に追いまくって一緒に逃げようと言ったら、
『お前さん方は怪我があっては悪いから、ぜひぜひ早く逃げろ』
とひたすらに言う故、おれが、源兵衛の刀が短いから、おれの刀を源兵衛に渡して、直ちに四人が大勢の中へ飛び込んだら、先の奴は、ばらばらと少しあとへ引っこんだはずみに、逃げ出して、ようよう浅草の雷門で三人一しょになり、吉原へ行ったが源兵衛が気遣《きづか》いだから、引戻して番場へ行って、飯を食おうと思って行ったら、源兵衛は、うちへ先へ帰って、玄関で酒を飲んでいたため三人は安心した。
それから源兵衛と、またまた一緒に八幡の前へ行って見たらば、たこ町の自身番へ大勢人が立っているから、そこへ行って聞いたら、八幡で大喧嘩があって、小揚《こあげ》の者をぶったが始まりで、小あげの者が二三十人、蔵前の仕事師が三十人で、相手を捕えんとして騒いだが、とうとう一人も押えずに逃がした、その上に、こちらは十八人ばかり手負いが出来た、今、外科が傷を縫っているというから、四人ながらうちへ帰って、おれは亀沢町へ帰ったが、あんなヒドいことはなかっ
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