、誰が死体の傍らに見張りをしているか」
「はい、新撰組の方が、我々が張番をしているから、其方たち行って知らせて来いとの仰せでござります」
「よくわかった」
新撰組が殺して、新撰組が張番をしているのである。隊長がその術中に落ちたのみではない、その手で、我々を誘き寄せようとの手段であることは、もう明らかだ。彼等の怒髪は天を衝《つ》き、闘争の血は湧き上った。
「諸君、これは尋常ではいけない、戦場に臨む覚悟を以て行かないと違う、甲冑着用に及ぶべし」
との動議を提出したのは、この組の中で、最も年少にして、最も剣道に優れた服部三郎兵衛でありました。
誰もそれを卑怯だとも、大仰《おおぎょう》に過ぐるとも笑う者がない。
事実、新撰組の京都に於ける勢力は、厳たる一諸侯の勢力であって、彼等には刀槍の表武器のほかに、鉄砲弾薬の用意も備わっているのである。その新撰組が計画しているところへ飛び込むには、戦場に赴《おもむ》くの覚悟があって至当なのであります。
甲冑着用を申し出でた服部の提言を笑う者はなかったけれども、それに同じようとする者もない。それについて憮然《ぶぜん》たる態度で、そうして老巧――といっ
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