その仔細というのは
追って
七兵衛おやじの口から
皆さんのお聞きに入れるでしょう
五十路《いそじ》に近いおやじが
まだはたち[#「はたち」に傍点]に足らぬ女の
手を引いて
戻って来たのは
皆さんの前に申しわけがないことがあるから
それで頭を丸めて
お詫《わ》びをする
といったような浮気の沙汰《さた》ではありません
同じ女を連れて来るにしても
マドロス君と
七兵衛おやじとは
性質が違いますよ――
ウスノロのマドロス君と
老練家の七兵衛おやじと
同じに見ちゃあいけません
すなわち
マドロス君が
女をつれて逃げてまた戻ったのは
つまり、だらしのない駈落《かけおち》なのさ
七兵衛おやじのは
まさか
掠奪でも
誘惑でも
駈落でも
ありますまい
くわしくは本人に聞いていただきたい
[#ここで字下げ終わり]
ここまでは、内容に於てほぼ無事でしたが、ここで完全にバレてしまって、
[#ここから2字下げ]
坊主
間男《まおとこ》して
縛られた
頭がまるくて許された
[#ここで字下げ終わり]
この時、船中の警視総監たる田山白雲のために、
「コレ……」
と一喝《いっかつ》を食いました。白雲の一喝に怖れをな
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