と、しきりにその性格や、労働の研究を進めておりました。
そうしてみると、甲種と乙種に編入すべき人種の極めて少ないこと、全部でどうしても十名以上を数えることはできない。丙種、すなわち日給をもらってただ単に働く人は二十人以上あって、これは比較的最も多数だが、最も無色なのもこのやからであることを知りました。すなわち、近在の百姓連が、農事の暇を見ては賃銭稼ぎに来るだけのもので、なんらの熱情はないが、平明忠実によく働くことは働きます。
丁種、すなわち食詰め者に至っては、頭数に於て右の丙種に次ぐものであって、十数名はたしかにいるが、これが最も王国民の中の難物だと思いました。監督している間は働きぶりを見せるけれども、眼が離れると、油を売り、蔭口を叩くのはこの連中であって、これを見のがしていると、その風が、他の人種に伝染するおそれがあることを青嵐居士が見てとって、どうしても監督の中心は、この丁種へ置かなければならないことに着眼しました。
戊種に至っては、これは十名足らずの最も僅少な人数に過ぎないし、若年者が多く、本来は無邪気で、好意で参加しているだけに、教育すれば大いに収穫ともなるが、失望すると
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