も頷《うなず》いて、
「そうだろう、気むずかしいといって、わからずやでは、あれだけのもくろみは出来ない、会って話をすれば、ドコかエライところがわかるに相違ない」
「では、一ぺん会ってみな、おいらがそう言えば、あのお嬢様は会う」
「こっちへは来ないかね――そのお嬢様を、長浜見物に引っぱり出して来るわけにはいかないかね」
「それだ――もうこっちへ来ている、そいつをおいらはあとをつけて来たんだ――お銀様ぁ、いま長浜に来ているが、そのいどころがわからねえ」
その時、玄関でまたおとなう声がしましたのを、今度は、はっきりと聞きとって、青嵐《せいらん》が、
「誰か来ているな」
百八十九
誰か庵寺の玄関に来ていることを気取《けど》ったけれど、青嵐は承知しながら聞流しにしている。米友がかえって落着かない気持で、
「じゃあ、おいらは、これで帰るよ、どうも御馳走さま」
と言って、立ちかけました。その時分に、もう食事は済んでいたのです。
そうすると、青嵐が、それを押しとどめるようにして、
「まあ、いいじゃないか、ゆっくりして行き給えよ」
「ゆっくりしていると、日が暮れらあ」
「日が
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