《ひづめ》を鳴らして、馬を打たせて来る一隊の者があります。

         百七十七

 右の恐怖の一隊が現われたと見ると間もなく、山王の森蔭に隠れてしまいましたから、この席のものも生き返ったようにホッとして、暫くあって、また噂話《うわさばなし》に花が咲き出しました。
 その要領は、
「あの、馬に乗った隊長様の脇においでの若いのが、あれが沖田総司様と申しましてね、小太刀《こだち》をとっては小天狗といわれる名人なんです、あの若い方と、それからもう一人、永倉新八様とおっしゃるのと二人で、あの相手の六人を瞬く間に斬ってしまいました。新撰組の方も十何人おいでにはおいででしたが、専《もっぱ》らお働きになったのはあのお二人です、ことに、あの沖田総司様の小太刀の使い方は見事なものでござんしてな、こうして、刀を伏せる、つつと進んで行って、ポロリと相手の小手を斬って落してしまいます、小天狗とはよく言ったもので、あの方は近藤隊長の秘蔵弟子だそうで、わざにかけてはあの人が第一だそうでございます。なんしろ、新撰組の方は、一人一人がみんなそれぞれ日本で指折りの使い手なんですから、たまりません」
「近藤隊長は
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