ように髻《もとどり》をあげた壮士でありまして、才気|風※[#「三を貫いて縦棒、第3水準1−14−6]《ふうぼう》、おのずから凡ならざるものがあります。
思うにこの人物は、東の方から、南条と五十嵐との道づれになってここまで来たものではなく、むしろ、京白河の方面からこの叡山へ登って来て、多分、この辺で落合ったもの、それも偶然でなく、相当打合せがあって、ここを出会い場所とでも、あらかじめ定めて置いて、来《きた》り迎えたもののようであります。
この、京白河方面から、南条、五十嵐の両士を迎えて、ここで落合っているところの一人の壮士――それは無論、推定ですけれども――この壮士の風采は、今までには見かけなかったが、そうかといって、全然知らない面《かお》ではない。どこでか見たことのあるような男である。どうも見覚えのあるような面魂《つらだましい》――そうだそうだ、土佐の坂本竜馬だ、あの男によく似ている、見れば見るほど坂本竜馬に似ている。
坂本竜馬に似ているからといって、必ず坂本竜馬ときまったわけのものではない。当世の壮士の風俗には似通ったものが多い。風采にもまたよく似たものがある。またよく似たはず
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