れから、今まではそれでよかったが、これから開国ということになってみると、日本人も、どしどし外国へ行かなけりゃあならないのだから、人間をうんと産み殖やせということになるだろう、そうなると、これからの時勢は、右の不言実行の法度《はっと》が厳しくなる!
というようなことまで、発展だか、脱線だか知らないけれども、道庵がお雪ちゃんのために語って聞かせました。
しかし、お雪ちゃんは、どうもそういう政策問題には触れて行きたがらないで、ややともすれば、元へ元へと話を引戻したがっている気色《けしき》は明らかです。
「先生のおっしゃるところを伺っておりますと、子をおろすとか、間びくとかいったような行いが、たいそう悪いことのようにも聞えますし、また、そうでもないことのようにも聞えますが、いったい、どちらなんですか」
「お雪ちゃん、お前さん、またなんで、それが善いことか悪いことか、そんなに気にかけなさるんだい――どっちだって、お雪ちゃんなんかの知ったことじゃない」
「でも、先生は、そういうことを心得て置くがいいと教えて、ここまで、わたしを教え導いて下さったのじゃありませんか」
「心得て置くがいいったって、
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