礼でございましょうか」
「失礼なこたあねえ、淑女の前でそういうことを口走る、こっちの方が失礼かも知れねえが、研究の心で、そういうことを先輩にたずねるのは失礼という話にはならねえ。まして医者に向って、そういうことをたずねるのは、餅屋へ餅を買いに行くのと同様、極めて自然にして穏当なことなんだから、遠慮なくお尋ねなさるがよい」
「ですけれど、先生、たった今、おや! とおっしゃって、ちょっと怖い目をなさったじゃありませんか」
「は、は、は、あれは、ちょっと眼を※[#「目+爭」、第3水準1−88−85]《みは》ったというだけなんだ、お雪ちゃんという子が、存外、真剣に、その不言実行の実行方法まで立入ってたずねて来たから、それにちょっと、面くらっただけのものなんだ――なあに研究的に聞いて置く分にゃ、何でもないさ、つまり性の教育なんだからね。ところで……」
「ええ、わたしも、そのつもりで、大胆におたずねしているのですから、あつかましい奴とおさげすみなさらずに教えていただきとうございます。世間では、今おっしゃる通り、闇から闇ということを罪悪のようにも教えていますし――また、わたしたちの疑問からして見ます
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