ねえかどうか、という質問のように、拙者には商売柄、そう受取れるが――そうなると外科だね」
道庵はお手のものと言わぬばかりに、けろりと取澄まして、べらべらと次の如く語り出しました。
五十八
「そういう問題は、今更、お雪ちゃんから提出されるまでもなく、世間では、もう充分に、研究も翫味《がんみ》もしつくされていて、今は不言実行の時代に入っているんだよ――まあ早く言えば、いろいろの意味で子を産みたくないという奴が、世間にはうんといるのさ。そりゃ、子を産みたくって産みたくって、神仏まで祈り立てる奴もあれば、子を産みたくなくって、生れようとする奴を産ませまいとして、また産み並べた奴をもてあましてるのが、天下にうんとあるんだ――今更、お雪ちゃんのように、そんなに事新しく、婉曲《えんきょく》に、上品に持ち出すのが古いくらいなもんだが、この道ばかりは、古いが古いにならず、新しいが新しいにならず、やっぱり、人間生きとし生ける間は繰返されるんだ。だが、お雪ちゃんのように、そう学問的に婉曲に持ち出す間は、まだ花で、不言実行となると、み[#「み」に傍点]もふた[#「ふた」に傍点]もねえの
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