せる奴だが、描く奴も描く奴だ、こん畜生!」
と言いながら主膳は、畳の上の鏡の裏絵の裸体美人へ、自分の鼻先をこすりつけるほどに持って来て、香いをかぐかのようにながめ入りました。
「ちぇッ」
実際、腹の立つほどうまく描けていやがる、肉がそのまま浮いて出ている、肌の光沢が生き写しになっていやがる、それに、この生《なま》たらしい笑い顔はどうだ、生のものをそのまま取って来て描きやがったのだ、描く奴も描く奴だが、描かせる奴も描かせる奴だ、そうしてこの鏡の裏絵なんぞにして、大びらで世間へ向けて売り出す、不埒《ふらち》千万だ。
日本の女なんぞは、どんなに恥知らずだって、自分の姿を、裸にして描かせて売らせる奴はない。また、どんな堕落した絵かきだって、女の丸裸物を描いて市中へ売ろうなんぞということはしない。また、たとい売女遊女にしても、色は売るけれども、裸になった姿を描かせるような奴はまだ一人もいない――毛唐はそれを平気でやる。
毛唐は獣なのだ。だから、女を可愛がるにしても、イキな身なりや、すっきりした姿を可愛がるんじゃない。女を買うにしても、裸にしなけりゃ満足ができないのだ。遊ぶにしたところで、蘭
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