だと、それでわたくしは一時がっかりしまして、それがために、せっかくこれまで来た踵《きびす》を返そうといたしましたが、しかしなおよく考えてみますると、たとえ、お雪ちゃんという子が現在あそこにいないにしても、最近まであそこにいたことはたしかでございます、ですからあの子の最近の便りを知るには、やはり白骨谷に越したところはございません、ともかくも白骨谷に行きさえすれば、もしあの子がいないとすれば、どちらへ行ったか、それは必ず分るはずでございます、やっぱりわたくしは力なくも白骨谷までまいりましょう。むろん、今の心では白骨へ行って、そうして、わたしが、ほっとそこで一息ついても、やれうれしやなつかしやお雪ちゃん、と呼びかけることはできないにきまっています。それから先、どこまで行って、どこで、誰に逢えるか、ちょっと分らなくなってしまいました。ですけれども、やはり一旦は最初の目的通りに白骨へ行くのが、この際、いちばんの順路かとも考えておるのでございます」
と言って弁信は、力なくも足を運ぼうとしましたが、また急に法然頭《ほうねんあたま》を振り立てて、
「え、わたくしに待てとおっしゃいますか。待てとおっしゃ
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