八があんまり商売が上手でないことは、自分が謙遜するまでもなく、東妙和尚がよく呑込んでいるはずだ。東妙和尚とても、あんまり商売に得手であるまいと思われる。どのみち、この二人が片棒ずつかついで、ありつこうという商売は、士族の商売よりもあぶないものかも知れないが、さりとて、和尚は世間を知っている、それに坊主丸儲けということもある、存外、妙腕を揮《ふる》って、半ぺん坊主の向うを張るつもりかも知れない。そこで、与八が謙遜するのを、東妙和尚が抑えて、
「損をしたって元《もと》という商売だから、心配しなさんな」
と慰め、
「うまく行けば坊主丸もうけだ。実は、わしがあの梅の木を伐《き》るのを見て、惜しいと思って意見をしたが、こんな物の道理はなかなか、眼先ばかり見ている当世人にはわからないから、いっそ、こっちが上手《うわて》を行って、一儲けをして見せてやって、それからのことだ。そこがそれ、小人は利にさとるとかなんとかいって、目の前へ儲けてやって見せてからでないと、お説法を信用しない。そこで、わしが考えついた大銭儲けというのは、まずこうだ、与八、聞いてみてくれ」
東妙和尚も、芝生の上の虎の子石へ腰を下ろ
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