見て取っていると、右の相撲は刀を抜いて、ひとり立っている美少年の方に向い、一人は手に携えていた太い棒をグルグルと振り廻して、逃げ惑う味方を追っかけている武士方に立向う。
 美少年に立向った力士は、一太刀合わせるまでもなく、小手を切り落されて、よろめきよろめき後へさがるところを、小溝へつまずいて、後ろへ倒れたまま、パッと水を飛ばして、姿は再び現われないから、多分、溝が狭いのに、身体《からだ》が大きかったものだから、すっかり食い込んで、動きが取れないものと見える。
 一方、大木を振りかざした一人の力士は、五人の行手にふさがってみたが、この五人の武士たちの勇気は、昨日の川原の光景とは打って変った鋭いもので、かいくぐり、かいくぐりして、とうとうその力士をも乱刀の下に仕留めてしまう。
 さて、親方を見殺しにして逃げた三人の者、その一人は親方の養子――他の一人は宰領、他の一人は荷かつぎ。
 美少年ひとりだけが現場に残って、あとは、透かさず三名の恨みの片割れを追撃しに出かけて行ってしまいました。
 まもなく、彼等が、一人の若い男をズルズル引きずって来るのを見る。
 それが、昨日、親分にも負けない喧嘩
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