桜よ」
「大きいわね」
「大きな稚児さんね」
「本当に大きいわ、花が咲いたらさぞ見事でしょうね」
「花の時分には、ここでお稚児踊りがあるのよ」
「踊りましょうか」
「踊りましょうか」
「手をつないで、この桜のまわりで、皆さんで踊りましょう」
「いいこと、ね、踊りましょう」
「皆さん、よくって」
「ええ、いいわ」
「じゃ、踊りましょうよ」
「踊りましょうよ」
女連は、おたがいに手をとり合って、お稚児桜を中に輪を作ってしまいました。自然、右の桜の根を枕にして熟睡に落ちていた米友ぐるみ、輪の中に入れてしまったものです。
「さあ、踊りましょう」
「よい、よい、よいとな」
「よいとさ」
「あら、よいきたしょ」
「及びなけれど――」
「ほら、よい」
「及びなけれど――」
「ねえ、ねえ」
「万松寺さんの――」
「はい」
「万松寺さんの――」
「はい」
「お稚児桜――」
「お稚児桜――」
「一枝|手折《たお》って――」
「一枝手折って――」
「欲しうござる――」
「欲しうござる――」
初めは手をつなぎ合って、輪をつくり、三べんほど廻ってから、音頭で、はっと手を放し、「及びなけれど」で、左の手で、
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