しいねえ!」
お浜は物差を取り直して、ピグミーを横なぐりにすると、そのまま畳の中へ没入してしまいました。
立場を失ったピグミーは、畳の下をくぐって、お雪の寝ているその枕もとに現われました。
ここに出没するピグミーは、全く眼の見えない人か、或いは眼が見えても、見えないと同様に、眠っている人にしか現われないらしい。
真黒な細身を、にちゃにちゃとお雪の枕もとへ摺《す》り寄せて、
「お嬢さん」
と猫撫声《ねこなでごえ》で、
「お嬢さん、よくお寝《よ》っていらっしゃいますね」
お雪の眼のさめないのをいいことにして、その枕もとに這《は》い迫り、
「いつも、お一人でここにおやすみになるのですか、お若いうちはようございますね、何も知らずやすんでいらっしゃる」
言わでものことを言いながら、お雪の寝顔をしげしげと見入り、にっこり笑って、立ち上ると、妙な足拍子を取って、蒲団《ふとん》の四隅を、八角に廻って踊りはじめました。
一廻り踊っては寝顔をながめ、また一廻り踊っては寝顔をながめ、自己陶酔の形で踊り狂っていたが、ついには興に乗じて、蒲団の上へ飛び上り、また飛び下り、蒲団の裾へいくつものわな
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