取っていただく弥助殿、ことに弥九郎の弥、弥助の弥、通《かよ》っているようですから、甥でないまでも、親戚かなにかであるには相違なかろうと思います」
村田寛一がこう言ったものですから、兵馬も考え出して、
「そこまでは究《きわ》めてみませんでしたが、斎藤先生の門下であり、流儀が神道無念流であることは、争われません」
「稽古はどうですか、業《わざ》は」
「それは確かなものです、練兵館の仕込みですから、隙間《すきま》はありません」
「して、人間はどうです、人物は……」
「さあ……」
と兵馬が腕を組みました。
正直のところ人物は感心しない。感心しないけれども、兵馬として、それを露骨に言ってしまいたくないような気がする。かりにも、同行の友人のアラを言うことが忍びないような気がする。そうかといって、人格清明、志気高邁《しきこうまい》と、そらぞらしいおてんたらを並べるわけにもゆかない。それを村田が引受けて、
「あまりよくないでしょう」
「そういえばそうです、惜しいものですね、あれだけの腕を持ちながら」
「仏頂寺弥助と仏生寺弥助とが、どれほど違うか知りませんが、その仏生寺殿の方は練兵館の方から勇士組と
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