を救うというような教義をよく聞かされますが、一面の真理はあって、またその真理を幾分かは体現もしているようです。とにかく、変ったおやじです……そうそう、久助さん」
村田は急に思い出したように、話半ばで久助を呼んで、
「久助さん、大事のおことづけを忘れましたよ、あの鐙小屋の神主様がね、お雪ちゃんにおことづけなんだ、どうも、あの子の半面には陽気がうせて、そのいわゆる『けがれ』というものが出て来たから、気をつけなくちゃいけない、前にもあることだから、心配だよ――神主さんが、お雪ちゃんの見えないのを、あぶないことのように言っていたから、お雪ちゃんに、よくそう言って下さい」
「はい承知しました」
「全く、お雪ちゃん、このごろ、めっきり暗くなったようだね、ちっとも人中《ひとなか》へ面《かお》を見せないじゃないか」
「いいえ、あれでなかなかお忙《せわ》しいのですから、手が放されねえんでしょう」
「とにかく、飛騨《ひだ》の高山のイヤなおばさんとやらのこともあるだろう、浅吉君という色男のこともあるだろう、それらの運命を、大抵あの神主さんが予言しているじゃないか。今度の予言が、お雪ちゃんの上にでも当てはま
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