っている間に、その家の軒に檻《おり》があって、その中に大きな熊のいるのを認めて、思わずそれに近寄ると、ついつい見とれてしまいました。
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「木曾路には、獣類の皮をあきなふ店多し、別して贄川《にへかは》より本山《もとやま》までの間多く、また往来の人に、熊胆を売らんとて勧むる者多し、油断すべからず」
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と木曾名所図絵にも書いてある。その獣皮屋《けがわや》が、生きた大熊を、店の前の檻に入れて看板に出している。
それを米友は見とれているのであります。
二十八
米友は、貪《むさぼ》るような目を据えて、熊を見つめておりました。
その熱心な注目ぶり。
はじめて、この熊という動物を見たものか、そうでなければ、この動物について、何か特殊の興味を持っていないことには、こうも熱心に見つめておられるはずはないのであります。
しかし、米友が、特に動物学の研究をしているということも聞きません。
Catnivores のうちの Genus Ursus としての熊。
インド産のスロース・ベーアというものと、西蔵《チベット》に棲《す》む特種
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