メートル》の白岩山がある。二千十八米突の雲取山がある。それから武州御岳との間に、甲斐《かい》の飛竜、前飛竜がある。御前と大岳《おおたけ》を前立てにして、例の大菩薩連嶺が悠久に横たわる。
天狗棚山があり、小金沢山があり、黒岳があり、雁ヶ腹摺山がある――ずっと下って景信《かげのぶ》があり、小仏があり、高尾がある。
いったん脈が切れて、そうして丹沢山塊が起る。蛭《ひる》ヶ岳《たけ》があり、塔ヶ岳があって、それからまたいったん絶えたるが如くして、大山阿夫利山《おおやまあふりさん》が突兀《とっこつ》として、東海と平野の前哨《ぜんしょう》の地位に、孤風をさらして立つ。富士は、大群山《おおむれやま》と丹沢山の間に、超絶的の温顔を見せている――
お松と、ムク犬とは、こんな背景のうちに馬を進ませているのであります。
お松は街道に沿うた大きな雑木林のところに来ると、馬から器用に飛んで下りました。
お松の下りたところの路傍の林の中には、形ばかりのお堂のようなものがあって、その中に立像の石の地蔵尊が安置されてある。お堂も、石像も、まだ新しい。
下りると、馬の鞍《くら》につけて来た十何足の草鞋《わら
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