ら街頭へ出た時はあぶない。
例えば、ありとあらゆる飲食物を、滅茶苦茶に掻《か》きまぜてみたところで、それを悉《ことごと》く食い尽してみたところで、後で多少料理番を狼狽《ろうばい》させるだけのことで、取返しのつかない欠陥というものは残らないはずであります。闖入者がいかにこの場で蹂躙《じゅうりん》をほしいままにしても、それは結局、この金椎《キンツイ》の平和なる仮睡をさえ破ることなくして終るのだからツミはない。
果して、いくばくもなく、胃の腑を充分に満足させた闖入者は、げんなりとして、人のよい顔をし、充ち満ちた腹をゆすぶって、四方の隅々までジロリジロリと見廻しました。
ほんとうに人のよい顔です。十九年ツーロンの牢にいた罪人は、こんなおめでたい顔をしてはいなかった。食に充ち満ちた闖入者は、炉にあった鉄瓶を取って、その生ぬるい湯をガブガブと飲む。
そこで、またも念入りに金椎の寝顔を見てニッコリと笑ったが、これとても、好々たる好人物の表情で、この時、「お前、何をしているの、食べてしまったら、サッサと膳をお洗い……ほんとにウスノロだね」とおかみさんにでも怒鳴られようものなら、一も二もなく、「
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