人からは、やんやといわれて、それでお金が儲《もう》かるんだ」
といいました。
「叔父さん、あたいは、この方がいいんだよ、こっちにいたいんだから……」
「何をいってるんだ」
 がんりき[#「がんりき」に傍点]の百蔵が、茂太郎の言い分をとりあわないのは、あながち、この子供のいやがるのを拉《らっ》し去ろうというのではなく、自分の推量で、つまり、いま言った通り、江戸へ帰りさえすれば、楽ができて、うまいものが喰べられて、いい着物が着られて、人から可愛がられるのに、こんな山の中へ拐《かどわか》されて来ているのを、不憫《ふびん》がる心もいくらかあるのです。だから、物やさしい声で、
「それから茂坊、お前には御贔屓《ごひいき》があることを忘れやしめえ。貴婦人――というのはなんだが、しかるべき後家さんや、御殿女中なんてのが、お前を可愛がりたがって、やいのやいのをきめていることを忘れやしめえ。叔父さんが話してやるから帰んな……よ、お寺へ話をしてやろう。お寺の誰に話をすりゃいいんだえ」
「叔父さん、御免よ、あたいは江戸へ帰りたくないんだから」
「わからねえことを言いっこなし」
「いいえ。じゃあね、叔父さん、弁
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