在らず、お銀様も、宇津木兵馬も、お雪ちゃんもいないところへ、なんだって今頃になって尋ねて来たのだろう。
果して見るだけ見、たたくだけたたいてみたがんりき[#「がんりき」に傍点]の百蔵は、なあんだ、つまらないという面《つら》をして、以前のところへ戻って来ると、弁信法師は相変らず縁に腰をかけていたが、茂太郎は再び九太夫をきめ込む。
「いや、どうもおかげさまで、大へんによい学問を致しました、まことに結構な建前《たてまえ》で……」
こんなお座なりを言ったがんりき[#「がんりき」に傍点]の百蔵は、未練気《みれんげ》もなく、この寺を辞して出て行ってしまいました。
そのあとで、弁信は、再び縁の下から這《は》い出した茂太郎をつかまえて、
「支那の道州というところは、どういう土地のかげんか、背の低い人が出るのだそうですね、大人になって身の丈《たけ》が三尺しかないのが出るのだそうです。で、それを矮奴《わいど》と名付けて、年々、朝廷に奉《たてまつ》ることになっていたのです」
「背の低い人間を天朝様へ上げるの。そうして、天朝様では、それを何にするの」
「珍しいから朝廷へ置いて、お給仕にでも使うんだろうと
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