行け
早駕籠で……
早駕籠で……
赤いもんどの
暁の鐘
そりゃ、暁の鐘
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 例の弁信法師が積み上げた石ころのところまで来ると、左に抱えていた般若《はんにゃ》の面を、右に抱え直して、廻れ右をし、
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お前とわたしと
駈落《かけおち》しよ
どこからどこまで
駈落しよ
鎌倉街道、駈落しよ
鎌倉街道、飛ぶ鳥は
鼻が十六、眼が一つ
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 いい心持で、声を張り上げている時、弁信が縁へ現われて、
「茂ちゃん」
「あい」
「あんまり出鱈目《でたらめ》を歌ってはいけません、鼻が十六、眼が一つなんて鳥はありませんよ」
「そうか知ら」
「きまっているじゃないか、考えてごらん、十六の鼻を面《かお》のどこへつけます」
「だって、あたいは考えて歌っているんじゃないのよ」
と答えた茂太郎は、弁信の注意には深い頓着を払わずに、再び歩調を取って歩きつづけ、
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あの姉さん
よい姉さん
堺町のまん中で
うんげん絞りの振袖を
口にくわえて
通る時……
淀《よど》の若衆《わかしゅ》が呼び留めて
お前の帯が解けている
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