、よそながら机竜之助にひっかかりのあったようなことをいう。
仏頂寺弥助が、足を踏みとどめました。
丸山勇仙が語りつづけていうことには、
「十津川の乱が平《たいら》いで後、藤堂方にたのまれて、拙者は医者の役目をしたり、書記のような真似をしていたが、その時、たのまれて人相書を幾枚も作った……そのなかに、ある少年が親とか兄弟とかの敵《かたき》だといって、人相書を註文して来たから、それを作ってやったのだが……その人の名が、たしか机竜之助、それで甲源一刀流の遣《つか》い手《て》と覚えていた。実は、乱徒のめぼしいものの人相書を幾枚も作らせられた後だから、大抵は忘れてしまっているはずだが、それだけを忘れないでいるのは、つまり、その時に問題が起ったからだ――」
「その問題は?」
「その問題が、それ、机竜之助は美《い》い男か、醜《わる》い男かという問題なのよ」
「ばかばかしい問題じゃないか」
「ばかばかしくないのだ、解釈のしようが人によって全然ちがうのだから……まず拙者がいわれるままに一枚をかいて見せると、それを見た一人が、机竜之助を、こんな美男子にかいてはいけないというのだ。けれども、いわれた通り
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