で行きました。
勘八の頭では、これは、てっきり物《もの》の怪《け》の仕業《しわざ》だと思っている。最初から、さわらぬ神に祟《たた》りなしの方針を取って、聞き流していたかったのを、強《し》いて兵馬にすすめられたものですから出て来ました。出て来て見ると、音のするところに明りがある。そこでその明りをめがけて一発打ち込んでみたのは、単にさぐり[#「さぐり」に傍点]を入れたつもりで、その根元をきわめようとまで思っていなかったものです。
こうなってみると、例のものすごい二日月が山の端《は》にかかっているだけで、真暗《まっくら》のところを、裾をめぐって行くものですから、めざす方向がドチラだかわからなくなりました。
「げえ[#「げえ」に傍点]もねえからよそうじゃございませんか、ばか[#「ばか」に傍点]されてもつまら[#「つまら」に傍点]ねえ」
勘八は、なお気が進まないのに、好奇《ものずき》に駆《か》られているのは兵馬ばかりではありません、兵馬の手にひかえられている猟犬がしきりに逸《はや》って、先に立つものですから、気が進まないながら勘八も、後ろへひくわけにもゆきません。
犬が案内してくれました
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